この記事では、ソフトバンクグループ(9984)のAI取引モデルを用いた2024年9月の成績報告を行います。株式市場におけるAI運用の効果と、最新のモデル改善について詳しく解説します。ソフトバンクグループに興味をお持ちの方や、AIによる株式取引の実績を追跡している方にとって、重要な情報を提供します。
2024年9月の取引結果は、やや苦しいものでしたが、AI取引における重要な教訓を得られました。これからの改良によって、今後のパフォーマンス向上に期待をしていきたいと思います。
9月の取引成績
9月第1週の成績
- 利益金額合計: 46,810円
- 損失金額合計: -72,130円
- 実現損益: -25,320円
9月第2週の成績
- 利益金額合計: 104,600円
- 損失金額合計: -103,410円
- 実現損益: +1,190円
9月第3週の成績
- 利益金額合計: 16,480円
- 損失金額合計: -36,040円
- 実現損益: -19,560円
9月第4週の成績
- 利益金額合計: 79,350円
- 損失金額合計: -85,020円
- 実現損益: -5,670円
9月トータルの成績
- 利益金額合計: 247,240円
- 損失金額合計: -296,600円
- 実現損益: –49,360円
AIトータルの成績
- 利益金額合計: 247,240円
- 損失金額合計: -296,600円
- 実現損益: -49,360円
結果としては -49,360円の結果となりました、、、
やはり簡単ではないなと実感しています。
AIモデルの改善
9月に私が行ったモデルの改良を具体的に説明していきたいと思います。
最後にモデルの改良に大きく関係があった改善を紹介します。
特徴量の追加
9月の第2週の成績が振るわなかったため特徴量の追加を行っています。
追加した特徴量は下記となります。
- 移動平均や中央値、最大値、最小値との比較: 現在の株価が過去の値を上回っているか下回っているかをbinaryで追加しました。
- RSI(相対力指数)の30以下か80以上かのbinary: RSIが極端な状態にある場合の指標をbinaryとして取り入れ、過剰な買いと売りを防ぐ判断材料に。
- 終値と移動平均の比較: 終値が移動平均線より上にあるか下にあるかを判別し、価格トレンドの方向性を反映させました。
もともと数字としての特徴量はありましたが、新たにbinaryとして追加しています。
この特徴量は追加しなくても良い可能性はありましたが
追加したほうが良い結果となりました。
新たにbinaryの特徴量を追加した理由としましては
例として理系か文系か予測する機械学習を行うとします。
データとしては下記があります。
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 理系 or 文系 |
---|---|---|---|---|---|
60 | 60 | 50 | 80 | 90 | 理系 |
40 | 30 | 90 | 50 | 60 | 文系 |
30 | 80 | 80 | 50 | 50 | 理系 |
20 | 70 | 50 | 60 | 50 | 理系 |
70 | 20 | 60 | 30 | 60 | 文系 |
80 | 50 | 70 | 60 | 50 | 文系 |
このデータをみて理系か文系のを予測する際には
数学+理科=合計点数
国語+社会=合計点数
を確認するかと思います。
そこで
数学+理科=合計点 が 国語+社会=合計点 より高かった場合 = 1
数学+理科=合計点 が 国語+社会=合計点 より低かった場合 = 0
の特徴量を追加します。
国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 | 合計_binary | 理系 or 文系 |
---|---|---|---|---|---|---|
60 | 60 | 50 | 80 | 90 | 0 | 理系 |
40 | 30 | 90 | 50 | 60 | 0 | 文系 |
30 | 80 | 80 | 50 | 50 | 1 | 理系 |
20 | 70 | 50 | 60 | 50 | 1 | 理系 |
70 | 20 | 60 | 30 | 60 | 0 | 文系 |
80 | 50 | 70 | 60 | 50 | 0 | 文系 |
このように 数学+理科の点数が高い人が理系の可能性が高くなり
国語+社会の点数が高い人が文系の可能性が高くなります。
このように特徴量を追加することで予測に大きく役に立つかもしれないため特徴量の追加を行いました。
複数のモデルによる予測
皆さんは、このことわざを聞いたことがあると思います。
三人寄れば文殊の知恵
意味としては
凡人でも3人集まって相談すれば、すばらしい知恵が出るものだということ。
このことわざを元に3つのモデルを使用して予測を行いました。
が、あまり意味がなかったかと思います。(笑)
Q値がプラスの時だけ株を購入する
私のAIは
- 株をロングで購入
- 株をショートで購入
- 何もしない
3つの行動を行います。
そこでQ値がプラスの時に行動するようにしました。
Q値とはこのように出力されます。
tensorの値ですね。
この値がプラスの時かつ一番大きい値の行動を行います。
しかし、この改善は結局採用していません。なぜか、、、、
購入する回数が極端に低すぎるからです。
毎日9時になったら携帯を見ながらドキドキしていました。
この改善を行った第3週の結果を見てもらえばわかると思いますが
購入金額が少ない!!
ドキドキできない!!
生粋のギャンブラーですのでドキドキしたいわけです。大きく負けてもよいからドキドキする方を採用したいのでこの改善は採用していません。。。
先人たちの偉大な言葉が今まで受け継がれているのでおそらく効果はあるかと思います。
ぜひ、皆さんもチャレンジしてみてください。
モデルの検証方法の改善
これが一番効果のあった改善ではないかと思います。
改善内容としては
- validデータの廃止
- モデルの採用方法の変更
validデータの廃止
モデルの検証には今まで
- trainデータ
- validデータ
- testデータ
の3つのデータを用意して検証していました。
いろいろ調べたり、私も考えたのですが
validデータ要らなくね??
の結論となりました。
私は元々lightgbmを使用して機械学習を行ってきました。
lightgbmではtrainデータを使用してmodelを作成し
validデータでモデルがきちんと予測できているかの確認を行っていました。
ですが、強化学習には必要なくない?と思い
いろいろ検証を行いましたが結果として必要なさそうです。
なんならtestデータも必要ないかも、、、、
モデルの採用方法の変更
モデルの採用方法としては
trainデータがプラスかつvalidデータがプラスのモデルを採用
としていましたが、validデータを廃止しましたので変更しました。
現在は下記のように変更しています。
trainデータがプラス かつ 直前のtrainデータ1週間がプラスとなっていること
具体的には
2024/9/30から使用するモデルを決める場合は
- 2024/9/30までtrainデータでモデルを作成
- trainデータがプラスになるか確認
→ この時のグラフは右肩上がりが理想 - プラスになっている場合は直前1週間(2024/9/23~2024/9/27)がプラスになっているか確認
→ この時のグラフは右肩上がりが理想
としました。
trainデータを
2024年7月末まで
2024年8月末まで
の2パターンを確認しましたが良い結果が得られました。
現在は2024年9月末までのデータでモデルを作成中です
来週の見通しとAI取引戦略
2024/9/30~の株式相場ですが
新首相が石破さんに決定したことで先物取引の株価が大きく下落しています。
大幅下落になるかと思いますが、AI運用はお休みです。
お金ないです。水曜日ぐらいには売却した株のお金が入ってくるので運用再開できるかもです。
ボラティリティの大きいときには大きく利益を伸ばすチャンスかと思いますが残念です。
そのまま、下落トレンドの入り口にならないように祈っています。
AI取引のトータル収支
現時点でのAI運用によるトータル収支は、2024年9月終了時点で**-49,360円**です。これまでの損失をカバーするため、今後はモデルのさらなる改良と、運用戦略の見直しを行っていきます。
AIによる株式取引は、長期的な視点で見た場合、短期間の損益だけでなく、トータルのパフォーマンスが重要です。新しいモデルの導入によって、今後の取引においては改善された成績が期待されます。
まとめ
9月のモデルの改善はこのような結果となっています。
binary特徴量の追加
モデル採用方法の変更
validデータの廃止
複数のモデルを使用した運用
Q値がプラスの時だけ行動を行う
複数のモデルについてはモデルの採用方法を変更したので
再度検証を行っていきたいと思います。
10月から競馬はG1レースが多く開催します。
株もプラス、競馬もプラスを目指して頑張ります。
参考にした書籍のリンクを貼っています。
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